「日韓国交正常化60年」の課題

2025年は日韓国交正常化60年

2025年は日韓国交正常化60年
~考える責任があること、変える必要があること~
日本と大韓民国(以下、韓国)、および朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)との関係は、なぜこれほどぎくしゃくしているのでしょうか?
その理由を理解するためには、歴史を振り返ることが必要です。

Q. 日韓の関係がいまだに不安定なのはなぜですか?
A. 日本が朝鮮植民地支配の過去に誠実に向き合おうとしないからです。

1965年に日韓条約を結び、国交が正常化してから今年で60年が経ちました。この間、両国間では人々、文化、経済の交流が深まり、対等で豊かな関係が築かれつつあります。しかし、両国関係は依然として不安定であり、時には険悪な状態に陥ることもあります。その根本的な原因は、日本が1910年の「韓国併合」を合法であったとする立場に固執している点にあります。このため、強制動員や人権侵害の問題も解決には至っていません。

日本は1995年に発表された「村山首相談話」において、「植民地支配と侵略によって多くのアジア諸国の人々に対して多大な損害と苦痛を与えた」と認め、深い反省と心からのお詫びを表明しました。1998年には「日韓パートナーシップ宣言」でこの立場を再確認しましたが、その後、戦後補償問題を巡って両国間の対立は続いています。

日本が過去の植民地支配を正当化する立場を維持する限り、両国民の真の和解と協力は実現しません。植民地支配を犯罪とみなす認識は世界でも完全に定着しているわけではありませんが、少しずつ広まりつつあります。2001年に南アフリカのダーバンで開催された反人種差別世界会議では、奴隷貿易や植民地支配の評価が争点となりました。NGO間の会議では、植民地支配を人道に対する罪、人種差別の一形態とみなし、これが現在の経済的不平等や社会的排除の根本原因であるとされました。

政府間会議では、旧宗主国であるヨーロッパ諸国が多く参加していたため、植民地支配を犯罪と決議することはありませんでしたが、「植民地主義によって苦痛がもたらされ、植民地主義が起きたところはどこであれ、いつであれ、非難され、その再発は防止されなければならないこと」が確認されました。近年、旧植民地での虐殺事件に対して、英国、ドイツ、フランスなど旧宗主国が謝罪するケースも増えています。また、アメリカの「Black Lives Matter」運動は単なる黒人差別の告発にとどまらず、過去に奴隷制を支持した人物に対する批判や歴史認識の見直しを促す運動として、世界的に影響を与えています。日本政府は、こうした世界的な潮流に目を向け、植民地支配の責任に真摯に向き合うべきです。

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